季節の手しごと 〜11月〜


●11月 穏やかな刻を慈しむ

 

カレンダーの残りも僅かとなりましたが、深まる秋を、小春日和を、慈しみたいですね。

そして、寒暖差の激しい時期でもありますので、健康管理にも留意しなければいけませんよね。

今月も、おいしい旬の食材をいただいて、元気に穏やかに過ごしましょう。

■銀杏を活用なさいませんか

いちょうの実、銀杏は、香りや味にクセのある食材ですから、お好きでない方もいらっしゃるかもしれません。

でも、茶碗蒸しやおでんや串焼きになくてはならない!という方も少なくないと思います。

そして、添えることで、粋な一品になると思いますので、ぜひ、この時期の食卓に加えてみてください。

〇銀杏の選び方

 

色が白くて、表面が滑らかで、艶があるモノを選びましょう。

そして、しっかりと身が詰まっていて、振っても音がしないモノがおすすめです。

 

〇銀杏の保存方法

堅い殻に守られているので丈夫そうに見えますが、銀杏は高温・湿度・乾燥に弱い意外と繊細な食材です。

そのまま置いておくとカビが生えてしまったり、乾燥して実がやせてしまったりして、味も悪くなってしまいます。

 

なるべく早くお使いいただきたいのですが、常温での保管は1か月程度、冷蔵する場合は紙袋やキッチンペーパーなどに包んでからビニール袋に入れて、口を閉じで2か月程度保存できるそうです。

そして、1番のおすすめは殻をむいて茹でてから冷凍保存する方法です。

 

冷凍保存の方法は、次にご紹介しますので、ご参考になさってください。

〇銀杏の調理法と冷凍保存の方法

銀杏は、煎るか茹でるかして使います。

煎る方法は、銀杏が爆ぜて危険な場合があるそうですので、ここでは、安全で失敗のない茹でる方法をご紹介します。

 

〈材料〉 銀杏   適量 (写真は、1パック半の量です)

 

〈道具〉 銀杏割り器など

 

①銀杏の筋目を縦にして、筋目の部分に力をかけます。

今回は、銀杏割り器を使いましたが、包丁の背や金づちで叩いても割れます。

 

*力を入れ過ぎると、実まで潰れてしまいますので、ほどほどの力で行ってくださいね。 

 

②殻に割れ目が入ったら、けがをしないように注意しながら、殻をむいて実を出します。

 

こんなにかわいい2トーンの実が出てきます。

③鍋に少なめにお湯を沸かし、殻から取り出した銀杏を入れます。

玉じゃくしや木じゃくしで銀杏を転がすようにかき混ぜながら茹でると薄皮が剥けます。

茹で時間は、7~8分です。

*茹でても剥けなかった薄皮は、手で剥いてくださいね。

茶碗蒸しやおでんに、バターで炒めて付け合わせに、パティやテリーヌの彩りなどにもお使いください。

 

*すぐに使用しない場合は、水気を拭いてラップに包んでから保存袋に入れれば、冷凍庫で2か月ほど保存できます。

 

〇銀杏を電子レンジで調理する方法

〈材料〉 銀杏   10粒

     塩    少々

〈道具〉 銀杏割り器など

     紙袋・茶封筒     

①割り器や金づちで銀杏の殻の筋目に亀裂を入れます。

*破裂してしまいますので、必ず、亀裂を入れてくださいね。

 

②紙袋や茶封筒に、10粒の銀杏と塩を入れ袋の縁を数回折ります。

 

 レンジ500wで1分~1分半加熱します。

 

③銀杏がはじける音がしたら、袋を振って塩をまぶし、袋から取り出し、殻をむいたら出来上がりです。

〇銀杏ときのこの炊き込みご飯

銀杏のほろにがさと、きのこの香りが存分に楽しめる秋を感じる炊き込みご飯です。

〈材料〉お米     1.5合

    銀杏     1/2パック

    しいたけ・まいたけ・しめじなど 適量

   

    酒      大2

    しょう油   大1と1/2

    みりん    小2

    塩      少々 

    昆布     5cm


作り方〉

①米を研ぎ、いつもより少なめに水加減して、冷蔵庫で30分ほど吸水させておきます。

 

②銀杏は殻と薄皮を除いて2~3分茹でておきます。

 

③しいたけは薄切りに、まいたけとしめじは食べやすい大きさに裂いておきます。

 

④❶に分量の調味料と昆布を入れかき混ぜます。

 ❷と❸を加えて、いつも通りに炊飯します。

 

⑤炊きあがったら、少し蒸らして昆布を取り出し、さっくりと混ぜて、ご飯茶碗に装ってお召し上がりください。

おにぎりにして、差し入れても喜ばれると思います。

 


■素朴なむかごで秋を感じましょう

お豆のようなかわいい形の「むかご」は、山芋の葉の付け根にできる球芽だそうです。

ですから、そのまま土に植えると、目が出て山芋になるそうですよ。

里の秋をイメージしながら、むかご料理に挑戦なさいませんか。

〇むかごの下ごしらえ 

①ボウルに水を張り、その上にざるを置いてむかごを入れ、ざるに擦り付けるように、むかごを洗います。

 

②流水で洗って、水から上げて乾かします。

 

③すぐに食べない場合は、ラップで包んで保存袋に入れて、冷凍保存をおすすめします。

〇むかごご飯

〈作り方〉

①米を研ぎ、いつもより少し多め(大さじ1)の水加減をして、冷蔵庫で30分ほど吸水させておきます。

 

②むかごを洗ってざるに上げ、乾かしておきます。。

 

③❶に分量の調味料と昆布を入れかき混ぜます。

 ❷を加えて、いつも通りに炊飯します。

 

④炊きあがったら、少し蒸らして昆布を取り出し、さっくりと混ぜて、ご飯茶碗に装ってお召し上がりください。

〇むかごの素揚げ

 

①洗って水気を切ったむかごを低温の油で揚げて、塩を振って供します。

 

*鍋にしょう油と砂糖各大さじ1を入れて加熱し、素揚げをしたむかごを加えて煮詰めながらからめると、甘辛味のむかごになります。


〇「香酸柑橘」の保存

柑橘類は、日毎に香りや味、栄養価が落ちてしまうそうですので、買った日に加工することをおすすめします。

〈保存の方法①〉冷凍

 

①柑橘類をきれいに洗って、水気を取ります。

②横半分に切って、切り口を下にしてラップに並べ、包みます。

 

③保存用袋に入れて冷凍します。

1~2か月ほどおいしく保存できます。

 

使用する際は、5分ほど常温に戻して使います。

保存の方法②〉乾燥

①柑橘類をきれいに洗って、水気を取ります。

 

②横に、1ミリほどの厚さにスライスします。

 

③竹製のざるなどに並べて天日で乾かします。

 表1日、裏側1日くらいで乾くと思います。

 

④乾いたら、耐熱の容器に移して、レンジの600wで2分ほど加熱します。

 

⑤❹が冷めたら、保存袋に入れて冷凍庫で保存します。

冷凍庫で保存するとカビが生えにくくなりますので、冷凍庫での保存がおすすめです。


〇みかんの皮で陳皮をつくりましょう

漢方としても使われる陳皮は、みかんの皮を乾かしたもので、胃の働きを活発にして消化吸収を促進する働きや、のどや胸のつかえを取り除く作用、咳や痰にも効果が期待できると言われています。

自分で作ると安心安全ですし、色も鮮やかで香りも良い陳皮が作れますので、ぜひ、お試しください。

材料〉みかんの皮  適宜

 

〈作り方〉

①みかんを剥く前に、きれいに洗います。

 

②みかんを剥きます。

 

③実は、ラップなどに包んでおいて、あとで召し上がってくださいね。

 

④みかんの皮を竹製のざるなどに並べて、天日干しします。

 

⑤外側と内側をそれぞれ1日ずつ干します。

 

⑥❺を耐熱容器に移し、レンジの600wで1分半ほど加熱します。

 パリッと乾いていなかった場合は、更に、少しづつ加熱してください。

 

⑦❻を5ミリほどの千切りにします。

 瓶などに入れて、冷蔵庫で保管します。

 

⑧お茶やほうじ茶、中国茶に加えて香りを楽しんだり、細かく砕いて七味や漬物に入れたりしてご活用ください


〇白和えでほっこりしましょう

お豆腐で和え衣を作る白和えは、旬の食材を加えてそれぞれの季節を楽しむ料理ですが、この時期はレンジで温めて温かい白和えになさってみてはいかがでしょうか。

いつも以上に、おいしく感じて、心がほっこりしますよ。

 

〈材料〉お豆腐(絹でも木綿でもお好みで)1/2丁

    練りごま       大1

    煎りごま       小1

    砂糖         小1

    しょう油       小1

    塩          少々

 

    柿          1/2個

    厚切りベーコン    2枚

    さやいんげん     5本

 

〈道具〉フードカッターかすり鉢(今回は、すり鉢を使用)

 

〈作り方〉

①前日に、豆腐の水気を切るために、豆腐をペーパータオルで包み、下にボウルを置いたざるに入れ、その上に200gほどの重しを乗せて、冷蔵庫で1晩置きます。

 

②翌日、❶を取り出し、水気を拭きとります。

 

③すり鉢に煎りごまを入れ、擦ります。

 

④❸に❷を加え、滑らかになるまで擦り混ぜます。

 

⑤練りごまと調味料を加えて混ぜます。混ざったら、冷蔵庫で保存します。

 

⑥ベーコンをフライパンでこんがりと焼き、ペーパータオルで油を拭きとって、5㎜角に切ります。

 

⑦さやいんげんは、沸騰したお湯に塩を加えて色よく茹でます。(1分半~2分程度)

 茹で上がったら、ざるにとって流水に当てて色止めします。

 2~3㎜の斜め切りにします。

 

⑧柿半分は、それぞれを皮を剥いてくし形に4等分し、さらに長さを半分に切って食べやすい大きさにします。

 

⑨❻・❼・❽の具材をボウルに入れ、❺でさっくりと和えます。

*和える作業は、食べる直前にしましょう。

 

⑩レンジの600wで1分ほど温め、うつわに盛りつけて供します。

 

⑪最後にコショウを加えてもおいしいです。

*白和えは、冷蔵庫で保存し、2日以内に召し上がってくださいね。


〇生姜のみそ漬け

寒い時期、体を温めてくれるしょうがを上手に活用したいですよね。

たくさん生姜を入手出来た時に、みそ漬けにして保存なさいませんか。

漬け床のみそも、無駄なくおいしく活用できますよ。

〈材料〉生姜   200g

    みそ   160g

    砂糖   100g

 

    塩     16g     

 

①生姜は、洗ってからお酒のなどの金属の蓋で皮を削り取ります。

 

②生姜の水気を取り、ビニール袋に入れて、分量の塩を加え、袋の中で塩を生姜にまぶし、200g重しをして3日冷蔵庫で漬けおきます。

 

③生姜を取り出し、流水で塩を洗い、水気を取って、1~2時間天日干しします。

 

④分量の味噌と砂糖をしっかりと混ぜ、保存瓶や保存袋に入れて、生姜を漬けこみます。

 

*瓶の場合は、表面が空気に触れないように、ラップで覆います。

 

⑤2か月ほど漬けたら完成です。

 

*完成したら、ご報告させていただきますね。


〇秋のフルーツサワードリンク

夏にご紹介したミックスフルーツサワードリンクがとてもおいしく、いろいろに活用できて便利でしたので、秋バージョンも作ってみました。

今回は、食べ切れなかった柿と洋なしにいただいたキーウイフルーツ、冷蔵庫に残っていたオレンジ、そして、夏に冷凍しておいたブルーベリーと桃を加えて作ってみました。

ご自宅にあるフルーツで、ぜひ、お試しいただきたいです。

〈材料〉

お好みのフルーツ      700g

氷砂糖           700g

お好みの酢         700ml程度

COCONでは米酢を使いました。

 

〈作り方〉

①フルーツを洗って、水気を拭きとり、皮のあるフルーツは皮を剥いて、適当な大きさに切ります。

 

②消毒した保存瓶などの底に氷砂糖を置き、フルーツを氷砂糖を交互に詰めていきます。

 

③最後に、氷砂糖が来るように加減して、酢をフルーツがひたひたになる注ぎます。

 

④1か月くらい置くとおいしくなります。

 

⑤1か月経過した時点で、フルーツを取り出し、ジャムにして召し上がってください。

 

作り方は、8月のミックスフルーツサワーの中にございますので、ご参照ください。