季節の手しごと 〜3月〜


●3月 春を愉しむ

3月はポカポカ陽気で春を感じる日もあれば、凍えるような寒い日もあり、花粉症も加わって体調不良を覚える方も少なくないころかと思います。

でも、木の芽が膨らみ始めたり、滋味あふれる山菜が出回り始めたり、そして、女の子の幸せと健やかな成長を祝うひな祭りがありますので、華やかな気持ちで春を愉しみましょう。

□ひな祭り 

3月3日のひな祭は、桃の花が咲くころに当たりますので「桃の節句」とも呼ばれます。

桃には、邪気を祓い長寿をもたらす力があると信じられていた為、「百歳(ももとせ)」まで生きられるますようにとの願いも込めて「桃の節句」と呼ばれるようにもなったそうです。

心弾む、ひな祭りのお寿司をご紹介しますので、ぜひ、お試しくださいね。

〇蒸し寿司

蒸し寿司は、温(ぬく)寿司とも呼ばれる温かいちらし寿司で、関西ではポピュラーなお寿司です。

温かいやさしい味わいのお寿司で、寒い日におすすめのお寿司です。

*蒸すと酢の風味が飛んでしまいますので、酢の分量を多めにしています。

*鯛と鮭の分量も作りやすく多めにしていますので、自由に加減してください。

(魚のそぼろは、少ない量で作るとパサパサになりがちですので。)

【作り方】

①お米を研ぎ、いつもの水加減より少なめの水を注ぎ、だしこぶを入れて、30分ほど吸水させてから炊きます。

②分量の米酢・砂糖・塩を混ぜ合わせて、合わせ酢を作ります。砂糖や塩が溶けにくい場合は、耐熱容器に入れ替えて電子レンジで30秒ほど加熱してから混ぜてください。

③ご飯が炊きあがったら、あれば飯台にご飯を移し、なければ広口のボウルに移し、❷の合わせ酢を振りかけ30秒ほど馴染ませてから、しゃもじでさっくりと混ぜます。そして、酢飯が乾燥しないように、濡れ布巾などで覆っておきます。

 

④鯛と鮭の切り身の水気をペーパータオルでしっかりと拭き取り、表面だけをグリルでさっと焼き臭みと余分な油をとります。

⑤❹の鯛と鮭の身は別々に、骨を取り除きながらほぐします。

⑥最初に❺の鯛を鍋に入れて分量外の水100mlを加えて加熱し、更に、酒とみりんを加えて木べらで細かくしながら炒り上げます。

骨に気付いたら、その都度取り除いてください。

細かく煎り上がりましたら、鯛は塩と薄口しょうゆで味を付け、味見をして整え、保存容器に移します。

次に、鮭を空いた鍋に入れて、水は加えず、酒とみりんを加えて炒り上げ、最後に薄口しょうゆで味を付けます。

 

⑦錦糸卵を作ります。

卵をといて、砂糖を加えよく混ぜます。

⑧❼のとき卵を十分に熱したフライパンか玉子焼き鍋にペーパータオルで油を塗り広げ、濡れタオルで鍋の底を冷ましてからとき卵を流し入れ、薄く広げます。

⑨卵に熱が通ったら、菜箸を薄焼き卵の向こう側から3分の1くらいの位置に差し込んで持ち上げて、ひっくり返して裏側も焼きます。

⑩焼けたら、裏に返した竹製のざるにのせて冷ましておきます。

⑪とき卵がなくなるまで、必ず油を薄く引いてから、同じ作業を繰り返します。

(焼き上がった薄焼き卵は、重ねていきます。)

⑫薄焼き卵は、重ねて細い千切りにします。

 

*干ししいたけの煮方は、『2月の手しごと』をご覧ください。

 

⑬絹さやは、沸騰させたお湯に分量外の塩を加えて、さっと茹でて、冷水にとって色止めをし、適当な大きさに切ります。

 

⑭ガリは、市販のモノをお使いください。

 

⑮茶碗や丼に酢飯を盛り付け、その上に錦糸卵とそぼろをバランスよく盛り付け、絹さやと細く切った干ししいたけやガリをトッピングします。

*大きな丼に盛る場合は、間にも具を入れ、三層にしても楽しいかと思います。

⑯蒸し器に水を入れて加熱し、⓯を入れて15分ほど蒸します。

⑰やけどに注意しながら、蒸し器からうつわを取り出し、ソーサーの上にのせて供します。

 

具は、鶏そぼろや海老そぼろなど、ご自由にアレンジしてください。

 

*薄焼き卵1枚ですし飯を包んで、金属の串で焼目を付けたはまぐり寿司もカンタンで楽しいです。

 

*鯛そぼろは、冷蔵庫で5日、冷凍で1か月保存できます。

鮭そぼろは、冷蔵庫で3日、冷凍庫で1か月保存できます。


〇手毬寿司

 坂井希久子さんの時代小説 居酒屋ぜんやシリーズの『ころころ手鞠ずし』からヒントをいただいて作ってみました。

具材は、お好みやあり合わせのモノでお作りいただけましたら幸いです。

【材料】お米    1.5合

    だしこぶ  5cm

    水     300㏄(いつもの水加減より少なめ)

 

   ・合わせ酢

    米酢    大2

    砂糖    大2

    塩     小1

 

【作り方】

①お米を研ぎ、分量の水を注ぎ(いつもの水加減より少なめです)、だしこぶを入れて、30分ほど吸水させてから炊きます。

②分量の米酢・砂糖・塩を混ぜ合わせて、合わせ酢を作ります。砂糖や塩が溶けにくい場合は、耐熱容器に入れ替えて電子レンジで30秒ほど加熱してから混ぜます。

③ご飯が炊きあがったら、あれば飯台にご飯を移し、なければ広口のボウルに移し、❷の合わせ酢を振りかけ30秒ほど馴染ませてから、しゃもじでさっくりと混ぜます。そして、酢飯が乾燥しないように、濡れ布巾などで覆っておきます。

 

④具材を一口大に削ぎ切りにし、皿などに並べておきます。

⑤添え物の、のりや大葉・カイワレ・山椒の葉などは、洗ったり切ったりして準備しておきます。

 

⑥❸で用意したすし飯を、一口大に握ってお皿などに並べておきます。

⑦手のひらにラップを広げて、その上に具材をのせ、更に❻をのせてラップの口をギュッと絞って丸い形を作ります。

⑧残りの具材も同じように作っていきます。

白身の魚は透けるので、大葉などを挟み込むときれいです。

⑨細く切ったのりや、かいわれ・とびっこやイクラやうになどでトッピングすればカラフルになります。

 



〇桜餅

2021年3月14日、東京は昨年と並んで最も早く靖国神社のソメイヨシノが開花しました。

お花見に欠かせないお菓子と言えば…桜餅ですよね。

餡さえあれば、簡単に作れますので、ぜひ、作ってみてくださいね。

 

【材料】桜餅6個分

 皮:白玉粉    30g

   薄力粉    40g

   砂糖      5g

   水      100ml

   食紅(ピンク) 付属のスプーン4杯

   サラダ油   適量

 

   桜の葉    6枚 (葉は10枚で1袋が多い)

   

   こし餡    75g

   白餡     75g(あれば)

 


【作り方】

 

①コピー用紙などで桜餅の皮の型紙を作ります。

サイズは、幅7cmで長さ12cmです。

 

②皮の材料をボウルに入れてよく混ぜ合わせます。

 

③桜の葉を、水を溜めたボウルに入れて、塩を抜きます。(約5分)

 

④塩抜きが済んだら、ペーパータオルで水気を拭きとります。

 

 ⑤餡を25g計り、俵型に丸めておきます。

 

⑥フライパンを熱してサラダ油を薄く敷き、❷で作った生地をレードルですくってフライパンに流し込みます。

(1枚目は、型紙をフライパンに置いて、大きさの目安にします。)

フライパンを持ち上げて手前に傾け、生地を長さ12cmくらいに伸ばしてから、左右に傾けて幅を広げていきます。

*すぐに熱が入って固まってしまうので、手早く行いましょう。

 

片面が焼けたら、裏返して両面を焼き、焼けたら皿などに置いて冷ましておきます。

 

⑦❻の皮で❺の餡を包み、さらに❹の桜葉を巻いて、出来上がりです。

*桜葉は、裏表があります。

葉脈がはっきりとわかるのが裏側です。

つるっとした表側を上にして桜餅に巻いてください。

 

 

 


桜葉が残ってしまったら、桜寿司を作りませんか。

〇桜寿司

 

【材料】雑穀ご飯   適量

    ゆかり    少々

    桜葉     残り分

    桜の塩漬け  適量

    

    付け合わせ野菜 適量

 

【作り方】

①雑穀を加えて、いつも通りにご飯を炊きます。

 

②合わせ酢の代わりに、ゆかりを加えて混ぜ合わせます。

 

③❷のご飯を俵型に握ります。

 

④塩抜きした桜葉で❸を巻き、お皿に盛り付けます。

 

⑤❹に塩抜きした桜の塩漬けを飾り、菜の花などを添えて完成です。

 



□お彼岸

 

お彼岸には、ぼた餅やおはぎを食べたり、仏壇にお供えしたりする習慣がありますよね。

 

それは、小豆の赤に邪気を払う効果があると信じられていたからと、お砂糖が貴重だったころに貴重なお砂糖を使ったおはぎ(ぼた餅)を作ってご先祖様にお供えして感謝の気持ちを表したなごりだと言われています。

 

動脈硬化に効果があると言われるサポニンがたくさん含まれている小豆ですが、渋みがあるため何度か茹でこぼして調理するため、有効成分は流れてしまいます。

もったいないとは思いますが、茹でこぼしが不十分ですと、渋みが残っておいしい餡はできません。

 

最近、時代小説『日本橋ぼたん堂菓子ばなし』シリーズを読んでいて、お店のライバルとして現われるいなせな菓子職人が、茹でこぼさずに風味豊かな餡を作って人気を博すという話があり、どの様に作り、どんな味なのか、気になっていました。

 

そんな折、NHKの「あさイチ」の中で、茹でこぼさずに小豆を調理する方法が紹介されました。

早速、その方法で小豆を調理し、つぶ餡を作ってみましたのでご紹介します。

 

気になるお味ですが、ぜひ、作って体験なさってください。。

 

*あさイチでは、小豆を煮る段階までの紹介でした。

 

〇あさイチ流 つぶ餡

 

【材料】小豆 作りやすい量  今回は1袋250gを使用

    水  小豆の2倍の量

    砂糖  お好みの砂糖をお好みの分量で

    (今回は、 ザラメを100g使用)

    塩  少々

 

【作り方】

①小豆をフライパンに入れ加熱します。

②フライパンを揺り動かして、小豆にまんべんなく熱を加えます。

③あさイチでは、2~3分乾煎りとなっていましたが、全体が黒っぽくなるのに5分くらいかかりました。

(火が強いと感じたら、火を止めて余熱で加熱してください。)

④炒りあがった小豆の粗熱をとり、ざるに移して水で洗います。

⑤小豆を、深さのある鍋に移し、2倍の量の水を加え、蓋をして加熱します。

⑥10分ごとに、蓋を開けてゴムベラなどでかき混ぜ、水が少なくなっていたら水を加え、小豆が軟らかくなるまで煮ます。

*煮え具合は、鍋の数か所から小豆を取って、指で潰して確認します。

⑦小豆が軟らかくなり水分が飛んで餡の硬さになったら、お好みの砂糖を2~3回に分けて加え、へらで混ぜます。

*今回は、少し硬めの餡になってしまいました。冷めると出来上がりは硬くなりますので、煮詰め過ぎにご注意ください。

 

出来上がったつぶ餡を使って、ぼた餅を作ってみましょう。

〇ぼた餅

 

【材料】米・もち米 各 1カップ

    水     いつもの水加減

    つぶ餡   適量

 

【作り方】

①お米ともち米を量って混ぜ、研いで、いつもの水加減をして吸水させてから、いつも通りに炊きます。

②もち米入りのお米が炊けたら、すりこぎやしゃもじなどでつぶします。

半分米粒が残り、半分お餅の状態がいいそうですが、搗き加減はお好みで。

③❷を約50g計り、ラップなどを使って丸めておきます。

④まな板などにラップを敷いて、粒餡を塗り広げます。

⑤❹に❸をのせて、ラップを絞って形を整えて出来上がりです。

餡の量はお好みで。

⑥つぶ餡の他に、こし餡・白餡・ゴマ・きな粉などある材料で包んでください。

トッピングを加えると、カラフルになります。