●1月 初春を寿ぐ
大人にとってお正月は、楽しいことばかりではありませんが、年が明けたとたん、明るく清々しい気持ちになるのは嬉しいですよね。
1月の別名は睦月(むつき)」です。
語源は、なかよくするの意「睦び(むつび)の月」からという説が有力とか。
そんな1月を、更に、なかよく・おめでたく・楽しく、そして健康的に過ごしていただくヒントをご紹介します。
■元旦の大福茶(3種)
・正統的な大福茶(写真下)
【材料】結びこぶ:睦み喜ぶ 1本
梅干し:シワが寄るまで 1/2こ
黒豆:まめ(健康)に暮らす 3粒
緑茶 適量
【作り方】
①だし昆布を細く切り、真ん中で結びます。
②梅干と調理前の黒豆は、トースターなどで軽く焼いて香ばしくします。
③3つの材料を湯飲み茶わんに入れ、いつも通りに煎れたお茶を注いで出来上がりです。
・桜茶(写真左上)
お祝いの席で愛飲される桜茶ですが、お湯を注ぐと花びらが美しく開くことから、躍進を願って元旦にも飲まれるようです。
【材料】桜の塩漬け 1輪
お湯
【作り方】
①桜の塩漬けの塩を軽く振り落とし、水を入れたうつわに入れて5分ほど塩抜きをします。
②❶の桜をやさしく指で挟んで、形を整えながら水気を絞ります。
③❷を湯飲み茶碗に入れ、お湯を注ぎいただきます。
*桜の塩漬けは、お茶屋さんなどで入手できます。トッピングにも、また、調味料としても便利に使えますので、ぜひ、常備していただきたいと思います。
・薬膳茶(写真右上)
肌やノドの乾燥が気になるこの時期に、おすすめしたい薬膳茶です。
【材料】白きくらげ 1枚
クコの実 3粒
菊の花 少々
ジャスミン茶かプーアール茶 適量
【作り方】
①白きくらげは、お湯で戻し、食べやすい大きさにちぎります。
②❶とクコの実を湯飲み茶碗に入れ、中国茶を注ぎます。
③菊の花を美しく散らして出来上がりです。
各材料の効果は、
白きくらげ:肌やノドを潤す効果が期待できる
クコの実:滋養強壮・老化防止・目のトラブルに効果的
菊の花:頭痛・めまい・イライラの軽減
と言われています。
*写真の菊の花は、9月の手しごとでご紹介したドライの菊花を使用しています。
■七草
あまり知られていませんが、1月7日は五節句のひとつ「人日(じんじつ)の節句」です。
中国では昔、1日が鶏、2日が狗(いぬ)、3日が羊、4日が猪、5日が牛、6日が馬、そして、7日が人を、それぞれ占う日とし、その日は、各いきものや人を大切にしたそうです。
日本には平安時代に「人日の節句」の風習が伝わり、江戸時代に五節句の一番最初の節句に定めらたそうです。
七草粥の風習は、日本に元々あった「若菜摘み」の風習と、中国の7種類の野菜が入ったお吸い物を食べる習慣がミックスされ、江戸時代には七草粥を食べる習慣が幕府の公式行事となり、庶民にも広がって、現在に至っているそうです。
〇七草粥
七草粥は、本来、七草を細かく刻んで、お粥に炊き込んでいただくのですが、COCONでは七草をお粥にかける餡に入れていただくレシピをご紹介します。
【材料】七草 なければ大根や大根葉、カブやカブの葉で代用
だし 200cc
薄口しょうゆ 小さじ2
酒 小さじ2
かたくり粉 大さじ1
水 大さじ2
米 1/2カップ
水 600ml
【作り方】
①お米を研いで、分量の水に浸け、30分以上吸水させておきます。
②お米が水を吸い、白くなっていることを確認してから、炊飯器や土鍋でお粥を炊きます。
③七草などを流水でよく洗い、塩一つまみを入れた熱湯でさっと茹でます。
大根や大きめのカブは、3~4分茹でます。
④❸を包丁で、細かく刻みます。
この時、七草なずなのわらべ歌を歌います。
歌詞は、「ななくさ なずな 唐土(とうど)の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントントン ストトントントン」です。
⑤鍋にだしを入れ火にかけ、調味料と❹の七草を水気を絞って加えます。
⑥分量の水で溶いたかたくり粉をよく混ぜて、鍋に混ぜ入れます。
⑦へらで混ぜながら、1分ほど煮て餡を仕上げます。
⑧炊きあがったお粥をうつわに盛り、❼の餡をかけて供します。
春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろです。
せりのは、鉄分やビタミンCが多く含まれます。
なずなは、ぺんぺん草とも呼ばれる身近な植物ですが、貧血症の改善や止血に効果があるそうです。
ごぎょうの別名は母子草で、咳を鎮めたり、痰を切ってくれる作用があるそうです。
はこべらは、はこべのことで、タンパク質が豊富に含まれているそうです。
市販されている七草セットには、たくさんはこべが入っていますので、多い分はおひたしにしていただきます。
春の七草のほとけのざは、(道端で見かけるほとけのざではなく)「コオニタビラコ」という植物だそうです。
たんぽぽに似ていて、食物繊維を多く含んでいます。
すずなは、蕪のこと、そして、すずしろは大根です。
■鏡開き
1月11日は、お供えしていた鏡餅を神棚などから下げて、無病息災を願っていただく日です。
お餅を割ってお汁粉にするのもいいですが、油で揚げて手作りのあられを作ってみましょう。
COCONの鏡餅は有田焼の磁器製ですので、市販されている生あられで作りました。
〇あられ
【材料】鏡餅や生あられ 150g
油 適量
しょう油 大さじ2
砂糖 大さじ2
塩 適量
こしょう 適量
【作りり方】
①大きめのボウルにしょう油と砂糖を入れ、よく混ぜて甘辛たれを作ります。
②鍋に油を入れ火にかけ、170℃で生あられをかき混ぜながら揚げます。
*油が跳ねることがありますので、やけどにご注意ください。
③表面が膨らみ、ほんのり色が付いたら、バットなどに上げて油を切ります。
④❸の半分を素早く❶に移して、へらで甘辛たれと混ぜます。
全体ににたれが絡んだらできあがりです。
⑤❸の残り半分を、別のボウルに移し、塩とこしょうを振り、さっくりと混ぜ味をなじませます。
お好みで一味やパルメザンチーズを加えてもおいしいです。
シンプルなしょう油だけでの味付けも、おすすめです。
*冷蔵庫で保存し、酸化しないうちにお召し上がりください。
■寒干し
大根は、寒さの厳しい時期に成長が遅くなり、土の中のミネラルをしっかりと蓄えて、栄養が豊富になり甘みが増しておいしくなります。
この時期ならではの冷たく乾燥した外気を利用して、大根を切り干し大根にしてみませんか。
〇切り干し大根
【材料】大根 適量
【道具類】スライサー(千切りに自信のある方は包丁)
ざる
干しかご
【作り方】
①大根を洗って、皮をピーラーで剥きます。
②1本のままスライサーで千切りにするのは重いので、10cmくらいに切って、指を削らないように注意しながら、スライサーで太目の千切りにします。
スライサーを使用しない方も、少し太めに千切りにしてください。
*乾燥すると縮んでしまうので、太目の方がいいと思います。
③千切りにした大根を重ならないようにざるに並べますが、水気が多い場合はペーパータオルで水気を拭きとってください。
④ざるを干しかごに入れて、軒下などで干します。
*干しかごがない場合は、風に飛ばされないように注意して干してください。
⑤1日干したら上下を返して、2日目も同様に干します。
⑥全体を触ってみて、乾燥していない場合は、更に干します。
その際、千切り大根に空気を入れるように、さっくりとかき混ぜてください。
*通気が悪いとカビが生えてしまうことがありますので、ご注意ください。
⑦全体が、ぱりっと乾いたら完成です。
水で戻して煮たり、生のままはりはり漬けにしたり、そのままお好み焼きに入れてもおいしいです。
自家製切り干し大根は、冷蔵保存してお早めにお召しあがりください。
■きんかんの丸煮
きんかんは、甘みの中にほのかな苦みがあり、色や形もかわいらしく、ビタミンCやカロチン、カルシウムが豊富く含まれ、香りも爽やかで、この時期、人気の果物ですよね。
そのまま食べるのがベスト!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、砂糖を加えて煮ると美しい色形をそのままに長く楽しむことができますので、ぜひ、お試しいただきたいと思います。
〇きんかんの丸煮
〈材料〉
きんかん 300g
水 360ml
砂糖 120g
〈作り方〉
①きんかんを洗って、ヘタを取り、竹串などで数か所穴を開けます。
③きんかんを水に取り、しばらくさらします。