季節の手しごと 〜2月〜


●2月 春を待

2月は寒さが最も厳しい時期でもありますが、日差しは日毎に強まり、春が近いことを実感する瞬間にも出会えるようになって来ます。

春を心待ちにしながら、春を呼ぶ行事「節分」と「初午」に、おいしく参加してみませんか。

 

■節分(2021年は124年ぶりに2月2日でしたが、例年は2月3日です。)

節分は、季節を分けるという意味で、実は、年に4回もあること、ご存知ですか。

立春、立夏、立秋、立冬それぞれの前日が「節分」で、現在は、1番有名な立春の前日を節分と言うようです。

 

さて、節分と言えば豆まきと、炒り豆を年の数、もしくはプラス1食べる習慣がありますが、ここでは、炒り豆をもっとおいしくいただく食べ方をご紹介させていただきます。

 


○炒り大豆の炊き込みご飯 

炒り大豆をたくさん入れる場合は、だしの量を増やしてください。

 

【材料】お米 2合

    炒り大豆 ひとつかみ

    塩    小さじ  1/2

    しょうが汁 小さじ1~2

    だし    480cc   

    ちりめんじゃこ   適量

 

【作り方】

①お米を研ぎ、だしにお米と炒り豆を30分ほど吸水させて、塩・しょうが汁を加えて炊飯器で炊きます。

*最初から調味料を加えてしまうと、お米が水を吸収しなくなってしまい、ふっくらおいしいご飯にならないそうです。

②炊きあがったら、ちりめんじゃこを加えて、さっくりと混ぜてご飯茶碗に盛り、お召し上がりください。


鮭の旨味が加わり、彩り豊かでリッチな炊き込みご飯になります。

お好みで、ごまを加えてお召し上がりください。

○炒り大豆と鮭の炊き込みご飯

【材料】お米 2合

    炒り大豆 ひとつかみ

    塩    小さじ  1/2

    水    480cc   

    塩鮭   1切れ

    昆布   10cm

 

【作り方】

①お米を研ぎ、お米に分量の水と昆布、炒り豆を入れて30分ほど吸水させて、塩を加え、鮭をのせていつも通りに炊飯します。

*最初から調味料を加えてしまうと、お米が水を吸収しなくなってしまい、ふっくらおいしいご飯にならないそうです。

②炊きあがったら、鮭を取り出してほぐし、もう1度戻して、さっくりと混ぜてご飯茶碗に盛り、お召し上がりください。



〇炒り大豆の甘みそ炒め

みそピーナッツの大豆版です。大豆とみその香りとお豆のポリポり感をお楽しみください。

【材料】炒り大豆   50g

    みそ     大さじ1

    砂糖     大さじ2

    酒      小さじ2

    みりん    小さじ1

【作り方】

①小鉢などに調味料を入れて、しっかりと混ぜ合わせておきます。

 

②フライパンを火にかけ、炒り豆を入れて、焦がさないように振るいながら、10分ほど炒ります。

 

③大豆の表面がきつね色になり、皮が割けて中の大豆が光って見えるようになったら、❶の調味料を加えて、へらで全体に混ぜながら2~3分加熱します。

 

④全体にみそが馴染んだら、できあがりです。

 

*今回は、ヘルシーなレシピにしました。

もう少し濃厚な甘みそがお好みでしたら、味噌と砂糖の量を増やしてください。

 

*手前みそですが、おみそは昨年の冬に仕込んだ自家製みそです。

 

〇福茶(ベーシック)

元旦にいただくお茶は大福茶ですが、こちらは福茶です。

大豆の香ばしい香りをお楽しみください。

 

【材料】炒り大豆  適量

    緑茶    小さじ  1

 

【作り方】

①炒り大豆を手でひねりながら潰して細かくし、急須に緑茶と一緒に入れます。

 

②80度くらいに冷ましたお湯を注ぎ、1~2分抽出して茶碗に注ぎいただきます。


〇福茶(薬膳風)2人分

定番の福茶に、結びこぶやクコの実、陳皮や梅干しを加えて、カラフルでおめでたい福茶にバージョンアップさせてみました。

 

【材料】炒り大豆  適量

    緑茶    小さじ  1

    

    炒り大豆  4粒

    結びこぶ  2個

    梅干し   1個を半分にする

    クコの実  2個

    陳皮    2片

   

 【作り方】

①炒り大豆を手でひねりながら潰して細かくし、急須に緑茶と一緒に入れます。

 

②茶碗に残りの材料を入れ、お茶を注ぎます。



■初午

 

2月の最初の午(うま)の日を、初午と呼び、稲荷神社を参拝する風習があります。

初午は、五穀豊穣の神様「倉稲魂神(うかのみたまのかみ)」が、稲荷山に降り立ったこという故事に由来して、稲荷神を祭る祭事が行われるようになったとされています。

旧暦の2月のこの時期は、丁度、農作業の準備を始める時期だったので、五穀豊穣を願って稲荷神社にお参りに行く習慣ができたそうです。

全国には、約4万社もの稲荷神社があり、その総本社が京都の伏見稲荷です。

ちなみに、稲荷神社は、商売繁盛・産業興隆(農業や漁業も)・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神だそうです。

1度のお参りで、いろいろな願いを聞いていただけるのは、とても合理的で有難いですね。

 

そして、稲荷神社のお使いと言えば狐ですが、その狐の好物が油揚げで、お参りの際に油揚げや油揚げにすしを詰めたものをお供えしたことから、初午に稲荷ずしを食べる習慣ができたようです。

 

さて、いなり寿司ですが、最近はアスリートにおすすめの食事と言われていますが、油揚げの油抜きをしっかりすることと、味付けの塩分を控えることで、アスリートでなくてもおすすめの食事になります。

最近は、おしゃれで楽しいアレンジ寿司が流行っていますので、そんな今様のいなり寿司に挑戦し楽しみたいと思います。

 

〇いなり寿司 10個分

【材料】お米    1.5合

    だしこぶ  5cm

    水     300㏄

 

    油揚げ   5枚

    だし    400cc

    砂糖    大さじ2

    しょう油  大さじ2

    酒     大さじ2

    みりん   大さじ2

  

    米酢    大さじ2

    砂糖    小さじ2

    塩     小さじ1

 

  トッピング具材の例

  ・五目いなり

    酢レンコン・絹さや・錦糸卵・菜の花・干ししいたけ・がり

  ・海鮮いなり

    いくら・ほたて・甘エビ・あなご・大葉・絹さや・干ししいたけ

  ・洋風いなり

    スモークサーモン・オニオンスライス・ケッパー・かいわれ大根、ソーセージ・菜の花・ラディッシュ

 

【作り方】

①お米を研ぎ、分量の水を注ぎ(いつもの水加減より少なめです)、だしこぶを入れて、30分ほど吸水させてから、炊飯器などで炊きます。

②油揚げを袋に入ったまま、両手で挟むようにポンポンと叩きます。

(カンタンに油揚げを開く裏ワザです。)

③❷の油揚げを袋から出し、半分に切って、1枚ずつ角まで丁寧に開きます。破れやすいので注意してくださいね。

④鍋にお湯を沸かし❸の油揚げを中火で5分ほど煮て油抜きをします。

そのまま、5分ほど放置し、ざるなどにとって冷まします。

⑤❹の油揚げを、両手で挟んで軽く水分を絞ります。

⑥鍋にだしを入れ、さらに、全ての調味料を加え、❺の油揚げを加えて、落し蓋をして中火より小さめの弱火でコトコトと15分ほど煮ていきます。

⑦❻の油揚げの煮汁がなくたったら、出来上がりです。

 

⑧分量の米酢・砂糖・塩を混ぜ合わせて、合わせ酢を作ります。砂糖や塩が溶けにくい場合は、耐熱容器に入れ替えて電子レンジで30秒ほど加熱します。

⑨ご飯が炊きあがったら、あれば飯台にご飯を移し、なければ口の広いボウルに移し、❽の合わせ酢を振りかけ30秒ほど合わせ酢を馴染ませてから、しゃもじでさっくりと混ぜます。そして、酢飯が乾燥しないように、濡れ布巾などで覆っておきます。

⑩酢飯を10等分し、俵型に握って、お皿に置いておきます。

 

⑪❼の油揚げの煮汁を軽く絞り(絞る際に、思わぬ方向に勢いよく煮汁が飛ぶことがありますのでご注意ください)❿の酢飯を詰めて、油揚げの端を内側に折り込んでおきます。残りも同じように酢飯を詰めて、いなりずしの土台を作っておきます。

 

⑫トッピングする具材を用意します。わざわざ購入しなくても、冷蔵庫にある材料で楽しく飾ってください。

 

*生ものの取り扱いには、ご注意くださいね。

*具材の盛り付けは、重ねずに立てるように置いていくと見た目もきれいにできるかと思います。彩が足りないと感じたら、トマトやレモンやお漬物など、足してみると楽しくなります。

*油揚げと酢飯は、比較的薄味になっていますので、具材の味を楽しんでいただけると思います。

*意外にも、スモークサーモンとオニオンスライスの酢漬けの組み合わせが好評でした。五目は、もちろん止まらないおいしさですが。

*このタイプのいなりずしは、折り込んでいる縁の油揚げを元に戻し、楊枝などで口を留めれば具がずれずきれいな状態でケータリングできます。

 


〇干ししいたけの戻し方

COCONでは以前、干ししいたけの良さを知っていただきたくて、静岡のお茶屋さんに依頼して少量のオリジナル干ししいたけパックを作ってもらっていました。

 

なぜなら、干ししいたけはおいしいからです。

そして、日持ちもし、いろいろな用途に使えますので、ぜひ、調理法をマスターしていただきご活用いただきたいと思います。

 〇干ししいたけをおいしく戻して、おいしく調理しましょう

 

【材料】干ししいたけ    30g  

    水         300cc

    砂糖        大さじ1

    しょう油      大さじ1

    酒         大さじ1

 

    みりん       大さじ1

【作り方】

①干ししいたけを、ボウルなどにためた水でさっと振り洗いします。

 

②容器に冷たい水300ccを入れ、干しシイタケを入れ小皿で蓋をします。

 

③冷蔵庫で、1晩かけてゆっくり戻します。

(低温で時間をかけて戻すと、香りうまみが濃厚になります。)

 

④しいたけの戻し汁を茶こしでこして合計して400ccになるように水を加え、分量の調味料と一緒に鍋に入れて中火にかけます。

 

⑤最初の10分くらいは、アクが大量に出ますので、ていねいにアクを取り除き、吹きこぼれないように火力を調整してください。

 

⑥アクが落ち着きましたら、火を少し強めて、10分~15分焦げ付かないように注意しながら汁を煮詰めます。干ししいたけに汁を煮含めたら出来上がりです。

 

⑦保存瓶や保存袋に移して、冷蔵庫で4~5日、冷凍なら1か月保存できます。

 お弁当の彩りや丼もの・ちらし寿司や海苔巻きの具として大活躍です。

 

 

*今回は、丸い状態で煮ましたが、スライスした状態で使う場合は、煮る前に切ってから煮た方が効率的です。